10 years

幸せだったとも不幸せだったとも言えない10年。
凄く幸せとも凄く不幸せとも言える10年。
何だか過ぎてしまえばあっという間だった。

私たちは確かに大人になったし
優しさを知ったし
いろんなことを許せるようになった。
それと同時に諦めることも覚えた。

久しぶりにちゃんと向き合ったその顔は柔らかくて
手も繋げなかった。
昔よりも少し低くてゆったりとした口調に
好きだなんてとても言えなかった。

少し太ったね。
肌も荒れた。
今年も焼けはじめたね。
短い髪も似合うよ。

好きなものに夢中になるのも
昔から器用に何でも熟すのも
責任感が強くて抱え込んじゃうのも
いつでも周りに気遣ってるところも
私の考えをお見通しなところも
笑うと目尻に皺が寄るのも
少しも変わらないね。

そんなあなたを、相変わらず私は尊敬してる。
私はまだあなたのようになりたいと思ってるよ。

一生あなたに片想いし続けるんだろうな。
あなたも同じでしょう?

「10年、ありがとうございました」
「こちらこそ