我慢

私はある一つのことに我慢強いほうだ。


その「ある一つ」というのは、世間でいう「愛」と言われるもの。


昔、我慢しなかったせいで

愛する人を

振り回し、疲弊させ、壊しかけた過去がある。


壊れかける瞬間になって

漸く自分のしていることを客観的に見れた。

何故今の今までそんなことが

顔色一つ変えずにできていたのか

自分がおぞましく怖かった。


私は振る舞いを改めた。

最終ラインを越えない限りは極力自分の意思を遠ざけた。

「仕様がないよね」とか

「気にしないでね」とか

「大丈夫だから」とか

そんなことばかり言っていた。


でも、心は全然コントロールできない。

会いたい想いが募る

声が聞きたいと叫ぶ

触れていたいと泣く

こんな状況にしたのはお前なんだと叱咤する。


そんなことが、続く。

これからも続く。

それでも手を放すことができないの。


許してね。

上っ面の我慢ならまだ大丈夫だから。

だから許してね。

この我儘だけは許してね。

我慢できなくて、ごめん。