好かれるとき

人に好かれるのは苦手だ。


好かれるっていうのは、つまり有り体に言えばlikeでなくLOVEの方。


たまに奇特な人がいて、アプローチしてくれるときがある。

女冥利に尽きるし、その人にとっては魅力的に感じるというのは

こそばゆくて嬉しいのだけれど

同じぐらい苦手だ。


なので、自意識過剰とか勘違い女とか上等精神で

「気になる」とかいう辺りから警戒し始める。

で、相手が褒めたりするところを悉く否定する。

「普通ですよ」

「偏屈ですよ」

「面白くないですよ」

「そんなことないですよ」

延々と滔々と。


それでも「気になる」から進んでしまうときがある。

そういうときに決まって私は相手を試し始める。

如何に駄目人間であるか、とか

如何に欠落しているか、とか

如何に今あなたの目に映ってる私が私でないか、とか

否定に否定を重ね続けて、結果、私一人が落ち込む。


そんな純粋な目で見ないでくれ。

そんなに私を信じないでくれ。


私は、当たり障りのないことや

きっと言って欲しいだろうことや

叱って欲しいだろうことを

さも分かってますよってな顔で垂れ流してるだけであって

それはあなただからじゃなくて

優しいからじゃなくて

甘いからじゃなくて


ただ、八方美人なだけなんだよ。


一人になると反省会は続く。