年を重ねる毎に夢を見る夜が
減ってきた気がする。

それに加えて
夢の内容も随分変わった。
これも「気がする」なんだけれど。

昔の夢はもっと夢らしくて
空を飛んだり
逢うことのない人と逢えたり
行くことのない場所へ行けたり
世界を変えたり
殺したり死んだり
あり得ないことを可能にする夢を見てきた。
ザ・夢。

ここ最近の夢は
仲の良い子と話したり
(話の内容も近況だったり至って普通だ)
どこか現実的な場所へ出かけたり
変わっていく誰かを見届けたり
殺したり死んだり。

最後の「殺したり死んだり」は文字にすると同じだけれど
昔の夢では非現実的だった。
今の夢は生々しい。
そう、すべてが生々しいのだ。

朝の起き抜けだったり
似たような状況に遭遇すると混乱する。
朝には「今のは夢?」
似たような状況には「あの話はした?」

これは結構な苦痛を伴ったりする。
境目がないのはボーダーが引けないということだから
二択問題を迫られるということ。
現実か夢か。

字にしてみると少々大袈裟になってしまったけど
なんとか今のところ夢を見た日はそれなりにやり過ごしている。
あまりの生々しさに打ちひしがれて
どうしようもなく泣き出したいときもあるけれど
そこは大人。
グッと飲み込めるようになった。

なんだ、随分成長してるじゃないか。
そう!
これは「老い」ではなく「成長」だ。
断固としてここは譲らないつもりでいる。